今月は、船旅の情景を織り交ぜてお届けします

みなさんこんにちは。
船の上からお届けします。これが出る頃は、まもなく日本に着くぐらいでしょうか。
約3週間の船上生活でしたが、みんなのおかげで業務が問題なく回っていることに感謝しながら、6月の月刊トライ・ワークスをお届けします。

枠組みの中に入らないと見えない「当たり前」

船の上の生活は、日常とそう変わりません。寝る、食べる、仕事する。洗濯もできるしお風呂にも入れます。
数年前に比べて通信環境もだいぶ良くなって、オンラインミーティングやチャットができるのでコミュニケーションで困ることは減りましたが、外界との隔たりを感じる面もあります。

例を挙げると、1日が24時間じゃない日が発生します。
常に移動する船には船内時間というものが存在し、経度が15度進むと、船内時間を1時間進めるためです。日付変更線を跨ぐ時には、同じ日がもう一度来ることもあります。普通に考えれば想像はできる事象でも、実際に体験しないと直感的にわかるレベルにはならないですよね。

ハードウェア/ソフトウェアに関わらず、1日が24時間である前提が変わることで受ける影響は多大で、想定しきれなかった調整が発生したり、不具合が起こったりします。
これは船というわかりやすい一例ですが、見えない・気づけない当たり前というのはどんな業界・会社にもあるんだと思います。

成果を出すために必要不可欠なこと

どれだけプロフェッショナルが集っていても、目的が同じでない場合、プロジェクトは機能不全に陥ります。
方向性が曖昧だと、それぞれが受け持ったタスクを消化することが目的にすり替わってしまい、本当にやりたかったことがおざなりになってしまう。

逆に言えば、目的さえ合えば、それぞれの知見を合わせて解決に向かうことができる。その目的や目標を示すことがリーダーシップであり、リーダーの役割だと思うのです。

一人だけが担う必要はなくて、プロジェクトやタスクに応じて誰かが投げかけることができればいい。
何のためにやるのか、実現したいことは何か。そのためには何が必要で、自分には何ができるか。率直に話し合えることが大切ですよね。
そのための関係性やコミュニケーションの場設定は整ってきていると感じていますので、折に触れて目的に立ち返ることを意識してみてくださいね。

構造で捉え、違いに気付く力

前段で目的について触れましたが、会社で発生する全てのことには、必ず目的があります。
例えば、課題図書セッションについてもそうです。初参加の方もいるので、少し話しておきますね。
この取り組みは、読書感想文の共有ではなく、他者との差異に気付くことを目的としています。同じ本を読み、同じフレーム(問い)で考えることによって、より自分と他者の捉え方や思考の違いを感じることができると思っています。

もちろん、すべてを完璧に理解するのは難しいですし、時間もかかります。でも、大事なのは「わからないなりに理解しようとし続けること」だと思うんです。そして、ちょっとした違和感を流さずに立ち止まってみること。物事を構造で捉え、問いを持ち、他者との違いを楽しむ。その積み重ねが、個人の力を育て、組織全体の精度も高めていくと信じています。

長い船旅の中だと、雨が降ったり綺麗な夕日と出会ったり、降り注ぐような星空を見たり。些細な変化を感じる日々でした。
来月は七夕会!みなさんと元気に会えるのを楽しみにしています!